ミツバチの中で毒針を持つのは雌蜂(働き蜂)のみで、雄蜂は針を持ちません。女王蜂も働き蜂と同様に毒針を持っていますが、子孫繁栄を優先するため、人を刺すことはほとんどありません。また、スズメバチやアシナガバチと違って、ミツバチは温厚な性格なため、自分たちの身に危険が迫っていると感じない限り、積極的に人を刺すことは少ないです。雌蜂の針には「返し」がついているため、一度刺すと針が体の内臓ごと抜け落ちてしまい、雌蜂自身は死んでしまいます。これは、雌蜂にとって「命がけの攻撃」であるため、むやみに刺すことはありません。
先日、新女王の交尾を確認するため、夕方16時から内検を行った際のことです。この日は夕方から風が強くなり、ミツバチたちも少し落ち着かない様子でした。ゴム手袋をしていたにもかかわらず、その針が貫通し、手にチクリと刺されてしまいました。刺された直後はじんわりと熱さを感じましたが、幸いにも強い痛みではなかったため、そのまま内検を続けることができました。ただ、一度刺されてしまうと、次に刺されたときにアナフィラキシーショックが起きないか、少し心配になるのも正直な気持ちです。ミツバチと接する際には、彼らの特性を理解し、お互いにとって安全な距離を保つことが大切だと改めて感じました。

