空からの訪問者

4月から行っている内検中に初めて、空からの訪問者、イソヒヨドリが14階屋上に飛んできました。本来は海辺の岩場にいる鳥ですが、最近は都心でもよく見かけるようになったそうです。人工分蜂で羽化した新女王蜂が、イソヒヨドリの餌食にならないよう祈るばかりです。 (人ω<`;) 

巣枠フック

巣箱の巣枠がギッシリに収まっていると、内検作業に手間取ることがあります。そんな時は、巣枠を1枚外に出すだけで、効率的に作業を進められます。ただし、巣枠を直接地面に置くのは衛生上好ましくありません。

本プロジェクトは限られた予算で運営しているため、市販の巣枠ハンガーのような製品をすぐに購入することはできません...。そこで、何か良い方法はないかと検討した結果、巣枠を引っかけるフックを3Dプリンターで自作してみました。実際に使ってみると、これが十分実用になることがわかりました。

3Dプリンターで作成した巣枠フック
巣枠フックを使用した様子(250522撮影)

女王蜂マーキング

群れの中から女王蜂を迅速かつ確実に識別するために、女王蜂の背中にマーキングを行います。また、マーキングは西暦の下一桁目の数値によって色を変更する国際的な取り決めがあり、マーキングした色から女王蜂の年齢を確認できます。

マーキングには、市販されている不透明油性速乾性マーカーを使用します。まず、女王蜂を掴みます。潰さないように優しく掴み、背中にマーキングを行います。この作業は、ある程度の経験が必要だと思います。また、マーカーを塗りすぎないようにしなければなりません。匂いが残っていると、警戒蜂が女王蜂に対して攻撃的になることがあるそうです。

坂戸ハニーウォーク

埼玉県坂戸市は、2013年度から全国初となる自治体によるミツバチの飼育を始め、市民に養蜂を広める全国でも珍しい取り組みを行っています。坂戸市ミツバチプロジェクトは、「ミツバチと共生できる環境づくり」をテーマに、自然を豊かにしてくれるミツバチの輪を広め、自然環境と共生する意識を育み、健全で恵み豊かな自然が未来へ引き継がれるよう環境保全へと繋げていくことです(坂戸市HPより)。その一環で、ミツバチの生態を知る講座で「ハニーウォーク ~蜜源たんけん~」があります。講師は佐々木正己先生(玉川大学名誉教授)です。

5月10日のハニーウォークは雨天のため、座学中心になりましたが、佐々木先生が持参された蜜源植物を見て、ミツバチの生態や自然との関わりについて、様々な視点から話を聞くことができました。

ハニーウォークの講演の様子(250510撮影)

以前作成した地球観測衛星「Sentinel-2」の観測画像から坂戸市の蜜源植物推定マップになります。荒川水系の高麗川・越辺川沿いは水田が広がっており、比企丘陵には広葉樹が分布していることがわかりました。

衛星画像から作成した坂戸市の蜜源植物推定マップ 

干場先生の講演&内検

5月8日、私たちのプロジェクトを日頃よりサポートしてくださっている干場英弘先生(元玉川大学教授)をお招きし、ミツバチ飼育の基礎についてご講演いただきました。私たち経済学部生にもわかりやすく、熱心に3時間近くもお話くださり、大変有意義な時間となりました。

当日は、日大生に加え、坂戸市ミツバチボランティアの方々も熱心に耳を傾けていらっしゃいました。さらに夕方からは、安田学園中学校・高等学校の小島先生と生徒の皆様も合流され、様々な情報を共有し、交流を深めることができました。

講演後には、実際に屋上にいる2群のミツバチの内検を実施しました。普段は1群あたり1時間近くを要する手探りの作業ですが、この日は干場先生から直接、貴重なアドバイスをいただくことができ、今後の活動に繋がる大きな収穫となりました。

GW中も内検

大学の屋上でミツバチを飼育する際に問題となるのは、大型連休中に校舎への立ち入りが制限されることです。今回、学生課に内検作業の重要性を説明した結果、GW中でも屋上への立ち入り許可をいただきました。この時期は王台(女王蜂を育てる部屋)の数が増えやすく、分蜂を防ぐための注意が必要になります。

蜜源植物調査 in 皇居東御苑

午前の内検後、午後は蜜源植物の調査を実施しました。衛星画像から作成した植生分類図を基に、皇居東御苑で現地調査を行ったところ、GW中ということもあり、多くの外国人観光客で賑わっていました。皇居東御苑は日大経済から半径2km圏内になります。私たちの水道蜂プロジェクトのミツバチたちの足にトチノキの赤い花粉が付着しており、もしかしたら皇居に採蜜に行っているかもしれません。想像するだけで、今後の展開がますます楽しみになります!