水道蜂ハニー

2回目の採蜜が無事に終了し、水道蜂プロジェクトから、「初夏(糖度83%)」と「盛夏(糖度80%)」という二つの個性豊かなハチミツを用意することができました。同じ場所で採れたハチミツでありながら、これほどまでに異なる表情を見せるのは、都市の自然が持つ多様性と、季節ごとの花の移り変わりによるもの。まさに、都市の環境が豊かであることの証でもあります。

春から初夏にかけてミツバチたちが集めてくれた蜜で、都市の木々や草花が芽吹き、生命力あふれる時期の恵みが凝縮されています。主にトチノキ、ツツジ、ネズミモチといった初夏の街路樹の花々など、多様な蜜源から集められた百花蜜になります。

「初夏」のハチミツの特徴は、その繊細でどこか儚い香り、そして爽やかな甘みになります。主張しすぎない上品な甘さは、パンケーキやヨーグルトなど、素材の味を活かしたいシーンにぴったりです。早朝の清々しい空気を感じさせるような、軽やかな後味も魅力の一つです。

今回新たに加わったのが「盛夏」のハチミツです。真夏の日差しをたっぷり浴びて咲き誇る花々から、ミツバチたちが精一杯集めてくれた蜜です。夏ならではの蜜源植物が豊富に含まれています。

「盛夏」のハチミツの特徴は、その奥深いコクと豊かな風味です。初夏の蜜とは対照的に、濃厚でしっかりとした甘みがあり、一口食べると夏の太陽のエネルギーを感じさせるような力強さがあります。チーズやナッツとの相性も抜群で、コーヒーや紅茶に入れると、その存在感で味わいを一層引き立ててくれます。

水道蜂ハニー(左:盛夏、右:初夏)

2回目の採蜜、ハチミツ16kg!!

6月12日(木)に最初の採蜜を終えてから1ヶ月あまり。7月24日(木)に第2回目の採蜜を行いました。今回は、前回渡辺先生に教えていただいた手順を思い出しながら、学生たちだけで採蜜を実施しました。今回は採蜜作業を効率化するために、脱蜂板(Bee Escape)を前日に設置しました。これは、ミツバチが巣箱へ移動した後、継箱に戻ることを防ぐことで、ミツバチの動きを一方通行に制限する仕組みになります。この工夫により、ミツバチを振り落とすといった余計なストレスを与えることなく、スムーズに採蜜ができるようになりました。

この時期は朝でも日差しは強く、面布+つなぎの姿に着替えるだけで汗が止まらず、服はびしょ濡れになってしまいます。特に屋上は日陰になるスペースが少ないため、短い作業でもこまめな水分補給が欠かせません。

2回目の採蜜は16kgとなりました。今年は空梅雨であったため、梅雨の時期でもミツバチたちは蜜を貯めることができたと考えられます。この時期は湿度が高く、一般的に糖度が低下する傾向がありますが、採れた蜜の糖度は約80%と高く、発酵の心配もありませんでした。

また、当日は日大本部の方々も取材にお越しになり、採蜜の様子を見学されました。採蜜作業後は、PMの大川くんが1時間近く取材を受けました。この様子は来年刊行予定の「2027年度進学ガイド」に掲載される予定です。今から掲載が楽しみですっ!!

ミツバチに刺される

ミツバチの中で毒針を持つのは雌蜂(働き蜂)のみで、雄蜂は針を持ちません。女王蜂も働き蜂と同様に毒針を持っていますが、子孫繁栄を優先するため、人を刺すことはほとんどありません。また、スズメバチやアシナガバチと違って、ミツバチは温厚な性格なため、自分たちの身に危険が迫っていると感じない限り、積極的に人を刺すことは少ないです。雌蜂の針には「返し」がついているため、一度刺すと針が体の内臓ごと抜け落ちてしまい、雌蜂自身は死んでしまいます。これは、雌蜂にとって「命がけの攻撃」であるため、むやみに刺すことはありません。

先日、新女王の交尾を確認するため、夕方16時から内検を行った際のことです。この日は夕方から風が強くなり、ミツバチたちも少し落ち着かない様子でした。ゴム手袋をしていたにもかかわらず、その針が貫通し、手にチクリと刺されてしまいました。刺された直後はじんわりと熱さを感じましたが、幸いにも強い痛みではなかったため、そのまま内検を続けることができました。ただ、一度刺されてしまうと、次に刺されたときにアナフィラキシーショックが起きないか、少し心配になるのも正直な気持ちです。ミツバチと接する際には、彼らの特性を理解し、お互いにとって安全な距離を保つことが大切だと改めて感じました。