水道蜂プロジェクトは、3号館屋上に養蜂箱を設置しています。この屋上は、大規模な空調施設や太陽光パネルなどが大部分を占めていますが、ミツバチを飼育できるスペースとして幅3m × 長さ7mの限られたエリアを確保しています。緑の少ない都会の環境の中で、ミツバチがどのように蜜源を見つけ、飛行ルートを定めているのか、ず~~っと疑問でした。また、屋上は安全確保のため背丈を超えるフェンスで厳重に覆われているため、なかなか外の景色を眺めることができません。
そこで私たちは、ミツバチの目線での景色はどのようなものか確認したいと考え、7mの測量スタックの先端にデジタルカメラ(RICHO GR)を取り付け、タイムラプス機能を用いて数百枚の画像を撮影しました。さらに、これらの膨大な画像をパノラマ作成ソフトで精密に合成し、一枚の広大な俯瞰画像を作成してみました。


3号館屋上からの眺め(250817撮影)
普段は意識しない屋上からの眺望を確認すると、広大な緑地である皇居が予想以上に近くに位置していることに驚きを感じました。この発見は、ミツバチの主要な蜜源の推定や、都市環境における採餌行動の分析を行う上で非常に重要な手掛かりではないかと考えられます。都市での養蜂だからこそ得られた貴重な知見ですね。