ミツバチイタヘギダニ対策

お盆期間中に採蜜を行っていた2つの巣箱から女王蜂を隔離していましたが、その2週間後となる8月27日にミツバチヘギイタダニ対策のための薬剤を設置しました。このダニはミツバチに寄生して病気を引き起こすため、冬を越すためには欠かせない重要な作業です。

今回使用したのは「アピスタン」です。現在、日本で認可されているダニ対策用の薬剤は、アピスタン、アピバール、チモバールの3種類のみになります。この限られた選択肢の中から、私たちは、以前熊谷養蜂で開催された干場先生の「ヘギイタダニ抑制と駆除方法」講習会、そして渡辺先生からのアドバイスを参考に、アピスタンを設置することを決定しました。

干場先生の講習会では、薬剤で巣箱の底に落下したミツバチヘギイタダニが狭い場所に集まる習性があると教わりました。そこで、雨に濡れても大丈夫なプラスチック下敷きを巣門に設置してみました。その結果、設置してから5日後の内検では大量のミツバチヘギイタダニが下敷きの狭い隙間に集まっていました。内検時では、小さくて見逃してしまいがちなミツバチヘギイタダニがこんなにいるとは・・・驚きです(アプリで撮影画像のダニをカウントすると168匹)。このダニ対策がきちんと出来なければ、ミツバチは無事に冬を越せません。

坂戸ハニーウォーク

埼玉県坂戸市は、2013年度から全国初となる自治体によるミツバチの飼育を始め、市民に養蜂を広める全国でも珍しい取り組みを行っています。坂戸市ミツバチプロジェクトは、「ミツバチと共生できる環境づくり」をテーマに、自然を豊かにしてくれるミツバチの輪を広め、自然環境と共生する意識を育み、健全で恵み豊かな自然が未来へ引き継がれるよう環境保全へと繋げていくことです(坂戸市HPより)。その一環で、ミツバチの生態を知る講座で「ハニーウォーク ~蜜源たんけん~」があります。講師は佐々木正己先生(玉川大学名誉教授)です。

5月10日のハニーウォークは雨天のため、座学中心になりましたが、佐々木先生が持参された蜜源植物を見て、ミツバチの生態や自然との関わりについて、様々な視点から話を聞くことができました。

ハニーウォークの講演の様子(250510撮影)

以前作成した地球観測衛星「Sentinel-2」の観測画像から坂戸市の蜜源植物推定マップになります。荒川水系の高麗川・越辺川沿いは水田が広がっており、比企丘陵には広葉樹が分布していることがわかりました。

衛星画像から作成した坂戸市の蜜源植物推定マップ 

干場先生の講演&内検

5月8日、私たちのプロジェクトを日頃よりサポートしてくださっている干場英弘先生(元玉川大学教授)をお招きし、ミツバチ飼育の基礎についてご講演いただきました。私たち経済学部生にもわかりやすく、熱心に3時間近くもお話くださり、大変有意義な時間となりました。

当日は、日大生に加え、坂戸市ミツバチボランティアの方々も熱心に耳を傾けていらっしゃいました。さらに夕方からは、安田学園中学校・高等学校の小島先生と生徒の皆様も合流され、様々な情報を共有し、交流を深めることができました。

講演後には、実際に屋上にいる2群のミツバチの内検を実施しました。普段は1群あたり1時間近くを要する手探りの作業ですが、この日は干場先生から直接、貴重なアドバイスをいただくことができ、今後の活動に繋がる大きな収穫となりました。