女王蜂解放

8月13日のお盆から隔離した女王蜂を約4週間経過した9月11日に解放しました。使用した全面隔王篭は、働きバチは行き来できるのですが、体の大きい女王蜂は篭内でとどまり、産卵を停止させるためのものです。ミツバチヘギイタダニの繁殖は封蓋された巣房内でのみ行われます。そのため、女王蜂を隔離して産卵をストップさせることは、ダニの繁殖サイクルを断絶する上で非常に重要な役割を果たします。働き蜂が卵から成虫になるまで約21日間(約3週間)かかることから、この隔離期間を取ることで、コロニー内の封蓋された蜂児が全て羽化し、ダニの繁殖場所が一時的になくなった状態になります。このタイミングを見計らい、隔離から約2週間後の8月27日にダニ対策用の薬剤を設置しています。

ミツバチイタヘギダニ対策

お盆期間中に採蜜を行っていた2つの巣箱から女王蜂を隔離していましたが、その2週間後となる8月27日にミツバチヘギイタダニ対策のための薬剤を設置しました。このダニはミツバチに寄生して病気を引き起こすため、冬を越すためには欠かせない重要な作業です。

今回使用したのは「アピスタン」です。現在、日本で認可されているダニ対策用の薬剤は、アピスタン、アピバール、チモバールの3種類のみになります。この限られた選択肢の中から、私たちは、以前熊谷養蜂で開催された干場先生の「ヘギイタダニ抑制と駆除方法」講習会、そして渡辺先生からのアドバイスを参考に、アピスタンを設置することを決定しました。

干場先生の講習会では、薬剤で巣箱の底に落下したミツバチヘギイタダニが狭い場所に集まる習性があると教わりました。そこで、雨に濡れても大丈夫なプラスチック下敷きを巣門に設置してみました。その結果、設置してから5日後の内検では大量のミツバチヘギイタダニが下敷きの狭い隙間に集まっていました。内検時では、小さくて見逃してしまいがちなミツバチヘギイタダニがこんなにいるとは・・・驚きです(アプリで撮影画像のダニをカウントすると168匹)。このダニ対策がきちんと出来なければ、ミツバチは無事に冬を越せません。

時差式ダニトラップ _1

6月9日に設置した時差式ダニトラップのその後を報告します。

干場先生に指導していただいた通り、巣板1枚の1/4下部を切り落とした部分に、狙い通り雄蜂の巣脾が見事に形成されていました。ミツバチヘギイタダニを効率的な駆除のために、この部分を切り落とし、今後もミツバチの健康を守るための対策を進めていきます。

時差式ダニトラップ

現在、多くの養蜂家が飼育するセイヨウミツバチは、ミツバチヘギイタダニの深刻な問題に直面しています。私たちは干場先生から教えていただいた「時差式ダニトラップ」でこの問題に対応していきます。

先日、新女王蜂の産卵を確認できたため、時期的には遅めになりますが、これからさっそく時差式ダニトラップ用の巣板を作成します。まず、養蜂箱一つにつき、育児圏(ビースペース)の巣板1枚の1/4下部を切り落とします。 この切り落とした部分には、雄蜂の無駄巣ができやすい傾向があるため、ここをダニトラップとして活用します。ミツバチヘギイタダニが雄蜂の幼虫に寄生しやすいという特性を活かし、巣板の下部にできた空間をさらに左右半分ずつに分けて、時間差で女王蜂に卵を産ませていきます。 これにより、ダニを効率的に誘引し、駆除する対策を進めていきます。